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絵を描く素材
皆さんは絵を描くときに
どんな素材に絵を描いていますか?
画用紙?キャンバス?板?
それともデジタル?
絵を描く素材はいろいろありますよね。
絵の具によっては
どんな素材にも絵を描くことができるものも
あるので、これは人それぞれだと思います。
この「絵を描くための素材」のことを
美術用語で支持体と言います。
または基底材とも言われます。
支持体は、水彩画、油絵、アクリルなどの
絵の具によって用途が変わってきます。
使う絵の具との相性があるんですね。
例えば、
水彩画は、紙との相性が良いですし、
油絵はキャンバスや板などが合っています。
画材屋さんには、アクリル用や油絵用など、
用途別に下処理を済ませた
キャンバスが売っていますし、
水彩画用の紙も種類が豊富にあって、
それを買ってくれば
すぐに絵を描き始めることが出来ますよね。
でも、それが普通になっているためか、
キャンバスや紙などの支持体が
何から出来ていて、
どんな性質があるのかはよく知らない…
という人は多いのではないでしょうか。
という訳で 今回の記事では
この支持体について、解説していきます。
クロッキー帳
クロッキー用紙は
スケッチブックの一種ですが、
画用紙ほどの厚さはない薄めの紙で、
ラフスケッチに使われます。
ラフスケッチ、クロッキーとは
手早く大まかに描写をすることです。
デッサンに入る前の準備段階ですね。
紙の表面はサラッとした描きやすい
紙肌になっているので
鉛筆やペンなどですらすらと
描くことができます。
枚数も沢山必要になりますので
紙を惜しみなく使えるような
素材で作られています。
水彩紙
水彩紙は、水分を多く使う技法
に合わせた厚い紙です。
パルプ(木材や草などの繊維)や
コットン(綿)から作られています。
(コットン100%の紙が高級)
紙の種類は、
細目、中目、荒目があり、
表面の凸凹(肌目)や
硬さによって分けられています。
また、紙の表面には
絵の具がすぐに吸収されないように
にじみ止め(サイジング)が施されています。
そのため、紙に乗せた絵の具が少しの間
画面上で動くことで
自然にできた美しいグラデーションや
ぼかしなどの表現が可能になります。
ちなみに、普通の画用紙(スケッチブックなど)は、
水彩紙とは違って水分に強くありません。
水彩紙でも画用紙でも、
水分を多く使う描き方をするときには
水張りをしてから使用するほうが良いでしょう。
水張りとは、水で湿らせた紙を
パネルに張り付ける手法です。
紙は水にぬれると波打ってたわんでしまいますが、
水張りをすることでこれを防ぐことができます。
画用紙・木炭紙
- 画用紙
紙の肌目(細目、中目、荒目)によって
描き心地も仕上がりも違ってきますので
どんな表現をしたいのかによって
使い分けると良いでしょう。
この他に、表面がつるっとしている
ケント紙もあります。
画用紙を、デッサンのために使う場合は
初心者用は中目、
中級者以上、細密画用には
繊細な描写ができるケント紙が向いています。
- 木炭紙
木炭紙は、定着が弱い描画材用の紙で、
主には木炭デッサンに使われます。
紙の表面には、規則的に筋状の
凸凹が並んでいて、
この凸凹が木炭の粉の定着を良くします。
木炭紙にはいくつか種類があり、
多く使われているのは
キャンソン「MBM木炭紙」
紙の一部に☆の透かしマークが入っている
高級木炭紙です。
紙のサイズは50㎝×65㎝くらいで
大きくて厚みもあります。
スケッチブックのように
一冊に綴じて売られていないことが多いので、
カルトン(厚紙)に挟んで保存します。
描くときには紙の凸凹が
はっきりしている面を表にして使います。
油絵:キャンバス
キャンバスの素材は帆布(はんぷ)で、
麻や綿、ナイロンなどで作られています。
軽くて丈夫 というのが特徴です。
この帆布に下処理(ジェッソ)を塗って
売られているのがキャンバスです。
地塗りなしの麻布だけで売られているものは
生キャンバスとも言います。
キャンバスの種類は主に以下の3種類です。
- 木枠に固定されている「張りキャンバス」
一般的なキャンバスで、
木枠にタックス(釘)で固定されています。
- 固定されていない「ロールキャンバス」
ロールキャンバスは、好みの大きさに
カットし、木枠に張って使います。
生キャンバス(下地なし)タイプも売っています。
キャンバスを自分で張ることができれば
木枠のみを使い回せば経費削減にもなるでしょう。
- 板や厚紙に布を貼った「キャンバスボード」
キャンバス地のような凸凹した布を、
厚紙や板などに張り付けたものです。
普通のキャンバスよりもかなり薄いです。
アクリル用、油彩用などがあって、
最近は100均にも売っているようです。
油絵:木製パネル
木製パネルは、
シナベニヤやランバーコアボード
などの合板の裏に
角材で桟を組んで作られています。
板なので、経年劣化によって
反りやヤニなどの発生も考えられます。
後々、描いた絵に影響が出ることのないように
パネルの表面にはあらかじめ
ジェッソや膠を塗るなど
下地処理を施してから使用しましょう。
※油絵具やテンペラで使う場合、
下処理には重点を置きます。
油絵のための支持体作りについては
コチラの記事で詳しく解説しています。
よろしければご一読ください。
まとめ
いかがでしたでしたか?
今回は絵を描くときの支持体について解説しました。
どんな画材を使って、
どんな表現をしたいのかによって
支持体選びは変わってきます。
それぞれの相性がありますので
支持体を購入する際の
参考にしてみてくださいね ^^