黄金背景テンペラ画の続きです。
前回作った石膏地に「水押し」という方法で金箔を貼ります。
前回の記事はこちらです
目次
盛り上げ装飾
石膏を塗った板に、盛り上げ装飾を施します。
下描きに沿って細い筆で石膏液をのせて行きます。
しっかり乾燥させます。
乾いたら、金箔を貼らない部分をマスキングします。
カッターで整えます。
ボーロ(箔下との粉)を塗る
次に金箔を貼るための下地剤
ボーロ(箔下砥の粉)を塗ります。
フランス シャルボネ製のボーロを使用。
ボーロは、少しの膠液で練って薄めます。
薄すぎず濃すぎず…
一度塗って完全に乾かしてから2回目を塗り
これを石膏の白が見えなくなるまで重ねます。
ボーロが塗り終わりました。
数日乾かして金箔を貼ります。
金箔を貼る
金箔を適当なサイズに切ります。
切る、といってもハサミで切るのではなく
専用の箔ナイフと箔台を使います。
金箔は非常に薄くて軽いので、取り扱いが難しい…
カット出来たら貼っていきます。
箔を乗せる直前に板(ボーロの部分)に水を塗ります。
水が付いていない部分には金箔は乗りません。
箔刷毛で金箔を一枚づつ置いていきます。
水を塗って箔を置く…を繰り返します。
貼り終えたところ↓
まだツヤがない状態です。
貼ったばかりは、かなり濡れているので触ることが出来ません。
この後しばらくの間放置します。
ときどき、綿で表面を押さえて様子をみて、ほぼ水分がなくなったら次の工程に進みます。
金箔を磨く
金を貼った部分の表面が適度に湿っている状態になったら
メノウ棒を使って金箔を磨きます。
メノウ棒にはいくつか種類があります。
フィレンツェの画材屋さんZecchiで買いました。
日本の価格の、約1/3のお値段でした。
一番左のメノウ棒は東急ハンズに売っていたものです。
線で模様を描くときなどに使えます。
いろいろな形のメノウ棒があって、それぞれ用途が違うようです。
私は右から2番目をよく使います。
金箔を磨くときに注意すること…
◆水分が残っている部分を磨いてしまうと
金箔が剥がれてしまう
◆表面からは水分が残っているかどうかを判断出来ないので音で確かめる
メノウ棒で表面を軽く叩くと、高い音と鈍い音のところがある。
・高い音は水分が少ないので磨ける
・鈍い音は水分が残っているので磨けない(箔が崩れる)
ゆっくりと音を確認しながら磨いていきます…
メノウで磨くと装飾がくっきりし、つやつやと輝きます✨
ひと通り磨いたら、金箔が付いていない箇所を修正して
マスキングをはがして作業終了です。
綺麗に磨けました。完成!