絵の制作過程「イチゴを描く」混合技法。

混合技法


絵の制作過程を公開するシリーズ
今回はイチゴを描いてみました。




◆使用した絵の具

テンペラ絵の具
・チタニウムホワイト
・カドミウムレッド

油絵の具
・ローシエンナ
・カドミウムレッド
・クリムゾンレーキ
・フレンチウルトラマリンブルー
・セルリアンブルー
・オーレオリン
・バーントアンバー
・チタニウムホワイト
・シルバーホワイト
・アイボリーブラック


◆メディウム
テンペラ用→ダンマルワニス 全卵 
油絵具用→ダンマルワニス テレピン


◆支持体
F0サイズにカットした板 膠 寒冷紗 白亜


◆制作過程

  1. モチーフを鉛筆で描く

    グラスに入れたイチゴにライト(光源)を当てて
    いろいろな方向からクロッキーを数枚描きます。

    気に入った構図が見つかったらデッサンします。
    イチゴの形、つぶつぶの付き方などをしっかり観察…
    細かい部分の情報収集のために写真も撮っておきます。



  2. 支持体に描く

    デッサンの輪郭線をトレースして
    支持体(白亜地)に下絵を描き、うす墨でなぞります。

    支持体の作り方はこちらの記事です。


  3. 下層描き

    油絵具でインプリマトゥーラ(有色下地)を塗布します。
    油メディウム✚ローシェンナ




  4. テンペラ絵の具でモデリングします。

    白テンペラで描いた写真を撮るのを忘れて画像がありません、、
    インプリマトゥーラと白でモデリングについては
    こちらの記事 を参考にしてみてください。


  5.  油絵具で固有色を塗る(1回目)
    ▼イチゴの赤
    カドミウムレッド クリムゾンレーキ シルバーホワイト
    ▼へたの緑
    セルリアンブルー オーレオリン
    ▼背景の黒
    バーントアンバー、ウルトラマリンブルーを混色




  6. テンペラ絵の具で明るい部分と背景を描きます








  7. 油絵具で固有色を重ねる(2回目)
    ▼イチゴ
    カドミウムレッド クリムゾンレーキ シルバーホワイト
    暗い部分にウルトラマリンブルー
    明るい部分にチタニウムホワイト
    ▼へたとつぶつぶ
    セルリアンブルー オーレオリン
    ▼背景
    バーントアンバー ウルトラマリンブルー
    ▼グラス
    チタニウムホワイト アイボリーブラック


    イチゴのハイライトも入れておき、乾かします。


  8. グラスの形を修正。
    器の形の狂いや、白く光っている部分の強弱を修正します。
    たまに、キャンバスを逆さまにすると、
    絵を新鮮に客観的に見ることができます。
    また、思い込みで描いていた部分の間違いにも気づくことができます。


  9. 完成に向けて加筆。
    オーレオリンでイチゴに黄色みを加えたり、
    ヘタの緑、グラスの光の反射や影、
    背景をさらに暗くします。


  10.  最後のハイライト。
    テンペラのチタニウムホワイトで
    イチゴとグラスにシャインを入れます。

 

 

完成です。

「苺」
テンペラ油彩の混合技法
板(180×140mm) 
寒冷紗 白亜地 2020年

 

 

 

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