目次
地塗り剤「ジェッソ」
皆さんはキャンバスや板に絵を描くときに
地塗り剤を使っていますか？
画材屋さんで売っているキャンバスには
もう既に下地剤が塗ってあるので
改めて地塗りはしなくても良いのですが
「何だか絵の具がうまく乗らないなぁ」
なんて感じたことはありませんか？
もちろん、買ったキャンバスに
直接絵の具をのせれば
すぐに絵を描くことはできます。
けれども
キャンバスに改めてジェッソを塗ることで
驚くほど絵が描きやすくなるのです。
この記事では
ジェッソの種類と
塗る時に押さえておくべきポイント
などをお伝えします。
ジェッソの効果を知って
塗り方をマスターすれば
今後の制作の幅を広げることにも
つながりますよ。
ジェッソって何？
はじめに、ジェッソについてよく知らない…
という方に向けて少しお話したいと思います。
ジェッソは、絵を描く前に、
キャンバスや板などに塗る地塗り剤のことです。
白い顔料（チタニウムホワイト）と
炭酸カルシウム、水とアクリル樹脂を
乳液状に混ぜた液体です。
ジェッソの種類
次に、ジェッソの種類をいくつかご紹介します。
ジェッソは一般的には白色ですが、
色が付いているカラージェッソや
黒いジェッソ、
透明、半透明のクリアジェッソもあります。
画材屋さんにあるジェッソには
パッケージに、S M L などと
表記されていますが その違いは、
微粒子（S）サラサラしている
標準粒子（M) SとMの間
粗粒子（L）ザラザラしている
に分かれています。
それぞれ違った地肌（マチエール）作りが可能です。
白ジェッソは、
アクリル絵の具を加えて
好きな色に着色することが出来ますが、
沢山使う時には カラージェッソが便利です。
ジェッソをはじめて使うときには
M標準タイプ がおすすめ。
黒とカラージェッソもMタイプになっています。
ジェッソの役割は？
ジェッソの役割は
絵の具の定着や発色を良くしたり
キャンバスや板の凸凹やキズを埋めて
表面を平滑にすることです。
ジェッソを塗った後は、
水彩、アクリル、油絵の具など
いろいろな画材で絵を描くことができます。
でもキャンバスに塗るときには注意が必要です。
油性のキャンバスには塗ることが
出来ないジェッソがあります。
キャンバスが油性か水性かを調べてから
塗りましょう。
ジェッソの塗り方
では いよいよジェッソの使い方についてです。
ジェッソは水で溶いて、
刷毛や、スポンジローラーなどで塗ります。
原液のままだと、粘りが強く、
塗りムラが出来る可能性があります。
「塗りづらいな」 と感じたら
少しの水で薄めると塗りやすくなります。
ジェッソは、一度だけでなく
何層か重ね塗りをします。
特に平らな画面を作る時には5層以上は重ねます。
一層目↓ 塗り方の参考にしてください。
2層目は、1層目の最後に塗った方向とは
逆の方向に塗ります。
3層目はまた逆…と繰り返すと
塗りムラや筆跡があまり目立たなくなります。
私は平滑な画面に描くことが多いので
S（微粒子）タイプを使っています。
板に塗る時は最低でも5層塗って、
途中、乾いたら細目の紙ヤスリで磨いて…
を繰り返します。
すると 陶器のような
ツルツルな画面が出来上がります。
手触りも最高です(^^)
ジェッソは速乾性なのですぐに乾きますが
ドライヤーを使って乾かしても大丈夫です。
でも！ドライヤーで乾かしたり
重ね塗りをするときに
気を付けることがあります。
それは、
塗る毎にしっかり乾燥させること。
もし、良く乾いていない状態で重ねてしまうと
下に塗ったジェッソが崩れて
画面が壊れてしまいます。
ドライヤーを使う時は特に気を付けて
表面は乾いているように見えても
下の方は半乾き なんてこともありますので
必ずしっかり乾燥を待ってから
重ねるようにしましょう。
ジェッソを塗ったあと
ジェッソを数回に分けて、
丁寧に塗ることによって
均一できれいな下地が完成します。
ジェッソを塗った後の画面は、
少し絵の具を吸収するようになっています。
そのため、絵の具の食いつきも良くなっています。
こうしてジェッソを塗った画面に
絵を描いてみると
塗る前と後との違いを
はっきりと体験できるはず(^^)
慌てず焦らず丁寧に…
を心がけて塗ってみてくださいね。
まとめ
ジェッソは女性のお化粧と同じです。
メイクするときには
ファンデーションを塗る前に
化粧下地（ベース）を塗りますよね。
つまりメイクの土台作りです。
これってとても重要ですよね。
絵を描くときも一緒だと考えてください。
ジェッソにはいろいろな種類がありますので
気に入ったものを見つけて
使ってみることをおすすめします♪
ジェッソを塗ることによって
表現方法が変わったり
制作の幅が広がるかもしれませんよ。
